「人間ドックとは」~法定健診との違いやポイントを解説~

記事の監修
グランソール奈良 院長辻村 貴弘
<経歴>
| 2000年3月 | 奈良県立医科大学大学院薬理学専攻修了 |
|---|---|
| 2001年4月 | グランソール奈良開設 院長に就任 |
| 2005年3月 | 医療法人拓誠会 辻村病院 理事長に就任 |
| 2010年3月 | 京都府立医科大学大学院免疫・微生物学専攻修了 資格:医学博士、日本人間ドック学会認定医 |
~はじめに~
人間ドックとは、豊富な検査項目で
包括的な健康チェックを行うもので、
個人が任意判断で受ける「任意健診」に分類されます。
<平均寿命と健康寿命>
世界でも有数の長寿大国である日本ですが、
近年は平均寿命が延びたことにより
「健康寿命」がさらに注目されています。
健康寿命とは、
WHOが提唱した「健康に生活できる期間」のことで、
病気や体の衰えによる介護が不要な期間を指します。
2024年8月にWHO(世界保健機構)が発表した
2021年の各国・地域別の統計データによると、
日本人の「健康寿命」は
- 女性:74.81歳
- 男性:71.93歳
一方の平均寿命は、
- 女性:87.16歳
- 男性:81.71歳
つまり、
平均寿命と健康寿命の差は
- 女性12.35年
- 男性9.78年
ということになります。
定期的な人間ドック受診により
病気の予防や早期発見ができれば、
「健康寿命の延伸」にもつながります。
出展:Healthy life expectancy at birth (years) | World Health Organization
Life expectancy at birth (years)
人間ドックとは

人間ドックは健康診断の一種で、
個人が任意判断で受ける「任意健診」に分類されます。
そもそも健康診断には、
労働安全衛生法などの法律によって義務付けられた
「法定健診」と「任意健診」があります。
人間ドックという名称は、
船舶の建造や修理を行うドックに例えた
日本固有の表現です。
豊富な検査項目で、包括的な健康チェックを行うのが
「人間ドック」です。
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|人間ドックを受診する目的
人間ドックを受診する主な目的は、
自身の健康状態をより詳しく把握して、
病気の予防や早期発見をするためです。
また、疾患によっては
早期発見により治療の選択肢が多くなったり
生存率が高まると言われています。
|法定健診との違い
人間ドックと法定健診の違いは
いくつかあります。
法定健診は、
定期的な受診が法律で定められています。
例えば、労働安全衛生法によって義務付けられている
「定期健康診断」などがその例です。
一方で、人間ドックの受診は任意となっています。
また、検査の項目数が大幅に異なります。
法定健診の検査項目は10~15項目が一般的ですが、
人間ドックは40~100項目になることもあります。
|人間ドックの検査項目例
基本的な検査項目としては、
下記のようなものが含まれています。
⇒2024年度 健保連人間ドック健診項目表(日本人間ドック・予防医療学会ホームページより)
他にも、胸腹部CT検査や頭部MRI検査など
それぞれの医療機関でオプション検査があり、
希望に応じて追加することが可能です。
人間ドックを受けるメリットと注意事項

法定健診ではなく
「人間ドック」を受けることのメリットと
注意事項についてご紹介します。
|メリット❶ 自分の身体を詳しく知る
血液検査を例に
法定健診と人間ドックを比較すると、
法定健診は赤血球数や白血球、
血小板、糖代謝、脂質、肝機能、
腎機能の検査が一般的です。
一方、人間ドックでは
甲状腺や腫瘍マーカーなどの検査も行われます。
他にも、受診する施設やコースによっては
胸腹部CT検査や超音波検査等もあり、
より詳しく自分の身体の状態を知ることができます。
|メリット❷ 病気を早期発見できる可能性が高まる
前述したように、人間ドックは
法定健診よりも詳しく検査するため、
病気を早期発見できる可能性が高まります。
下図で示すように、がんに罹患した場合でも
早期発見によって生存率が高まるケースが多いため
精密検査の受診をオススメします。
<図>
|メリット❸ 自分に合わせた検査を受けることができる
法定健診は全員が同じ検査を受けますが、
人間ドックは、基本コースに希望のオプション検査を
追加することができます。
自分の身体状態や知りたい内容に合わせて
検査を受けられるのが「人間ドック」です。
また、基本の検査内容については
受診する医療機関やコースによって異なるため、
事前に検査内容を確認しておきましょう。
|注意事項
法定健診は
検査項目が一律で決まっている一方、
人間ドックは医療機関によって項目が異なります。
「希望の検査が入っていなかった」
とならないよう、事前に確認して受診しましょう。
人間ドック受診に必要な費用
結論、人間ドックの費用は
受診する検査項目や医療機関によって異なります。
前述したとおり、
法定健診と違って検査項目が定められていないからです。
医療機関ごとに基本のコースやオプション検査の
費用が紹介されています。
ご自身に合った検査を受けるようにしましょう。
一般的には、日帰りコースであれば
約5~10万円が相場とされています。
また、人間ドックは公的医療保険が適用されない
自由診療である点に注意が必要です。
|日帰りで受診する場合の目安
日帰りで受診の場合、
費用相場はおよそ5~10万円です。
日帰りでご受診の場合、
基本的には3~4時間で検査が終了します。
短時間で受診したい方におすすめです。
|宿泊で受診する場合の目安
宿泊コースの場合、
相場はおよそ8万円~15万円です。
検査項目を増やして
さらに詳しく検査をしたい方や、
ゆったりと受診したい方におすすめです。
人間ドック受診までの流れ
それでは実際に、
人間ドック受診までの流れをご紹介します。
|受診する医療機関を選ぶ
まずは、受診する医療機関を決めます。
医療機関によって
検査内容や設備、費用等が異なります。
基本的には1年に1回、同じ医療機関での
受診を推奨されることが一般的です。
※医療機関選びは慎重に行いましょう。
医療機関によって、
検査中の待ち時間を短くしたり、
女性にも配慮しているなどの特徴があります。
|受診日を予約する
医療機関を決めたら受診日の予約をします。
予約方法は医療機関によって異なりますが、
電話またはWebでの予約が主流です。
予約が混み合っている場合があるため、
早めに予約することをオススメします。
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|検査前の準備と注意事項
予約が完了したら、
事前に医療機関から資料が郵送されます。
内容は、問診票や同意書、尿検査の容器、
オプション検査の案内などが一般的です。
中身を確認し、必要事項を記入して
当日持参しましょう。
万が一、不足や不備があった場合、
検査開始時間が遅れたり受診できないこともあります。
また、内服薬がある方は
かかりつけ医に確認しておきましょう。
※薬の内容によっては一時的に服用を中断する必要があります。
検査前日の食事は
暴飲暴食や脂肪分の多い食事、
アルコールの摂取は避け、
できる限り消化の良いものを摂りましょう。
⇒検査前日におすすめの食事例はこちら
まとめ
自身の身体状態を詳しく把握し、
健康寿命を長くするためにも
「1年に1回の人間ドック受診」をおすすめします。
検査の内容などは医療機関によって異なるため、
ご自身に合った医療機関を選びましょう。
また、検査当日までに必要書類を準備し、
注意事項を確認しておきましょう。
もし、わからないことがあれば
事前に調べて解決しておくと安心です。
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参考文献)
2026年1月19日更新









